貧困とエネルギー (Poverty and Energy)

 この前、「風をつかまえた少年」という映画を観ました。2001年の東南アフリカの国、マラウィでの事実を描いた映画ですがとても良かったです。当時人口の2%しか電気を使えない最貧国の一つと言われたマラウィで、大干ばつが起きて人々が飢餓に苦しむのですが、一人の少年が自転車のダイナモを使った風車で、井戸から水を汲み出すことで作物を作り、危機を救った。という話です。


2001年といえばアメリカ同時テロが起きた年です。その同じ年に、ある国では電気もなく雨が降らなければ飢え死にする、という過酷な生活をしていることに驚きました。もっと衝撃だったのは、これだけ情報が伝わりやすい世界になっても、政治的、地理的、教育などさまざまなシステムの制約があると、電気が水を汲めるという発想を知らず、天に祈って雨を待つしかないということです。特に教育は重要ですね。

SDGsで改めて注目されている言葉に、エネルギー貧困 (Energy poverty)というものがあります。エネルギーを有効に使えないことと貧困が大きく関係しているという問題です。電気を使えない国では、木を燃やすことで生活をしているため、煙による健康被害や森林伐採による環境破壊にも繋がっています。ここに太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用が期待されています。

太陽光発電といえば、最近話題になっている、「ペロブスカイト太陽電池」が注目ですね。東芝がフィルム型のペロブスカイト太陽電池で世界最高のエネルギー変換効率を出したことでニュースになっていますが、フィルム型で高層ビルや屋根に簡単に貼ることができ、大きく太陽光発電の可能性を広げると期待されています。

エネルギー貧困国でもこのような技術でエネルギーの地産地消が進めば、構造的な貧困から抜け出す方法が見つかるかもしれません。




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