ソフトウェアのバリューチェーン (IT Industry Value Chain)

 デジタル化の波は2020年を機にさらに強くなっています。一言にデジタルといってもソフトウェア、ハードウェア、通信、エレクトロニクス、などなど様々な業界が組み合わさって価値を作っているので、全体像を理解するのはとても難しいです。

その中でも私が携わっているソフトウェア業界は、どのような価値を顧客にもたらしているのか?ということを常に考えているのですが、把握するには最も難しい業界の一つでもあります。(もうどの企業がソフトウェア企業と呼ばれるのかも曖昧になってきていますし)

マイケル・ポーターが提唱したバリューチェーンでソフトウェア業界を表すとどうなるかを考えてみたのが以下の図です。


上半分の緑が主活動で下半分のオレンジが支援活動であり、これらが総合的に顧客に価値をもたらすと考えると、主活動にはISV(独立系ソフトウェアベンダー)などによる、研究開発からソフトウェア開発、販売、マーケティングなどがあり、それらのソフトウェアを使って顧客向けにシステムとして実装するシステムインテグレーターがいます。ソフトウェアのLogistics(物流)というのはイメージしにくいですが、ソフトウェアそのものをシステムに組み込んでいくプロセスを物流だと考えると、インテグレーターはソフトウェアにおける物流会社の役割になります。さらにシステムの保守や拡張、コンサルティングといったサービス事業も主活動の一つです。

ソフトウェア業界は、バリューチェーンを横串に支援していく支援活動にこそ、他の業種にはないユニーク性を持っていると思います。例えば企業のデジタル戦略をロードマップを描きながら段階的に実現していくというプロセスがあります。ビジネスコンサルティング企業はまさにここを付加価値としたビジネスと言えます。また技術の進化は激しく、将来を見越した技術の提供も求められています。

最後にソフトウェア業界のイノベーションの源泉とも言えるのがコミュニティ活動だと思います。ソフトウェア業界のみならず、顧客、非営利団体、個人も含めたコミュニティがエコシステムとなり、ソフトウェアの発展を支えていると言えるのではないでしょうか?


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