夏の海 (Summer Sea)

オリンピックが終わり、広島・長崎の原爆投下から76年が経ち、そして今日の朝は台風の影響で豪雨からの快晴となり、セミの鳴き声が特に複雑に大きく聞こえます。

夏を実感することが憚られるこのご時世、子供たちには本当に同情します。暑い中、海・山・川で遊ぶことの楽しさや喜びは、一生の記憶に残るものなので、その機会を自粛行動により奪われるのは残念です。

一つ夏といえば記録に残しておきたい思い出があります。それはほぼ30年前になるのですが、オーストラリアにワーキングホリデーで一年過ごしていた時の話です。何か面白い仕事はないかなー、と仕事を探していたら、真珠の養殖の仕事を見つけました。食事住居付きで給料がもらえると言う好条件だったのです。

ケアンズから船で北上すること数日、「ここでしばらく働いて。」と言われたのが、エンジンもないハウスボート。そこに怪しげなタトゥーだらけのオーストラリア人とカップルのオーストラリア人2名がいました。私ともう1名日本人がいて、見様見真似で仕事をしました。


私たちができる仕事は、真珠貝を毎日引き揚げては洗浄機にかけて洗うこと、だけでした。その他はそこで生きていくだけ。毎日担当を決めてご飯を作ったり、掃除したり。残りの時間は、釣りをしたり、周りの無人島に行ったり、そして夜はひたすらビールを飲むことでした。

いろんなサバイバル技術も身につけました。無人島を焼畑で焼いてみたり、魚の釣り方(と言っても糸を垂らすだけで釣れました)、ガソリンをホースから口で吸って給油する方法など、現代社会ではなかなか経験できないこともやりました。

この時の精神状態は本当に穏やかで、まるで周りの自然と同調しているような感覚でした。大自然のエネルギーが体の中に入ってくるような感覚があり、頭の中も空っぽになったような。

その後、日本に帰国し、社会人になり、今日に至るまで働いていますが、この当時のように脳味噌を空っぽにしてリラックスできる経験はなかったと思います。人生何度かワーキングホリデーを導入した方がいいんじゃないかと思いました。

インターネットで調べてみたら、今の時代でも私と同じようにワーキングホリデーで真珠養殖を経験している人を見かけました。若者には是非お勧めしたい仕事です。

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