情報の非対称性 (Information Asymmetry)

アフガニスタンでは大変なことが起きています。アメリカ軍が撤退すると決まった途端、現政権が崩壊し、タリバンが首都を一気に制圧したということです。これまで民主化に協力してきた人々や女性は逃げることもできず、恐怖で身をすくめていることでしょう。

このような感覚は今の日本人には遠い出来事で実感が湧かないですが、わずか80年前には世界全体がこのような状態だったことを考えると、いつ日本で起こってもおかしくないかもしれません。 

8月は特にこのような非日常(日本人にとっては)を考える季節です。私は戦争映画を見るのが好きなのですが、その中でも特に印象に残る映画が、「硫黄島からの手紙」と「父親たちの星条旗」の2作です。これはクリント・イーストウッドが監督をした映画で、同じ時間・同じ場所を、日本とアメリカの二つの視点から描いた、非常に珍しい作品です。立場が違うと、こんなにも現実は異なって見えるのか!というのをリアルに体験させられます。


経済の世界では、「情報の非対称性」という考え方があります。これは売り手と買い手の間の情報格差により、取引が不公平になったり、またそこにビジネスが生まれるということなのですが、私は全ての体験は、この情報の非対称性が関係しているのではと考えています。

例えば彼女と海にデートに行ったとしましょう。海が好きなあなたはそこでのんびり彼女と過ごすことで大満足です。ところが彼女は日焼けをするのが嫌で、早く帰りたいと思っているかもしれません。これは同じ場所で同じ時間を過ごしていても、それぞれの人が持つ情報(知識や考え方)が違えば、異なる体験になるということです。

情報をどのように相手に伝えるか、何を伝えるのかによって、相手の体験が価値のあるものとして認識されるか、バイアスとなって悪い体験となるのかが変わるとすると、これこそがビジネスの世界でいう、顧客体験というものではないかと思いました。

戦争もビジネスも情報というコミュニケーションの結果だということですね。

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