サイレントマイノリティ (Silent Minority)

最近、台湾のデジタル担当政務委員のオードリー・タン氏の本を読みました。平易な文章で語りかけていますが、思想に芯が通っている感じがしてとても共感しました。

オードリーさんがデジタルを使って実現したいことの一つに、社会的弱者であるマイノリティの声を汲み取り、それを社会共通の課題・価値にしていくことがあります。自身がトランスジェンダーであることを公表しており、このような課題を先頭に立って解決していく実行力は凄いなと思います。また、マイノリティが住みやすい社会にしていくことで、マジョリティも新しい価値を見出せるのではないかと問いかけています。(一方、この国の大臣は、権威を振りかざしてベンダーを萎縮させる、権威主義者の顔を覗かせていて残念でなりません。) 


オードリーさんのいう、「共通の価値観」とは何だろうと想像していた時に生まれた図がこちらです。物言わぬ少数者である、サイレント・マイノリティの声だけでなく、サイレント・マジョリティにも価値としてみなされるようなもので、それがいずれ世論になっていく正のスパイラルなのかなと思います。またノイジー・マイノリティは声の大きい少数者ですが、この集団もインクルーシブに取り込みながら合意形成していく活動なのかもしれません。

ここで共通の価値観を調べてみたら、経済学者のマイケル・ポーターさんが「共通価値の創造 (Creating Shared Value)」という概念を提唱していました。これは、企業は経済的価値だけでなく、社会的価値も追い求めることで共通価値が生まれ、企業の競争力になるというものです。

これとオードリーさんの社会的課題解決の視点は同じだと思います。企業もダイバーシティを尊重し、マイノリティのニーズを見つけることで新しい価値観を創造することができ、それが成長戦略になるのではないでしょうか?


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