セントラルドグマ (Central dogma)

最近、製薬業界の顧客対応をすることがあるのですが、研究所の方と話していてもなかなか仕事のイメージが湧いてこず、良い提案ができないと感じていました。高校までに化学や生物学をやっていたとは思うのですが、恥ずかしながら今までDNAについての正しい知識さえもありませんでした。

そんなきっかけで少しDNAを中心とした分子生物の世界を除いてみたら、なんと面白いものなのか!という衝撃を感じたのでちょっと書きたいと思います。


人間はおよそ60兆個の細胞で成り立っていますが、その細胞一つ一つに核があり、23対の染色体が入っています。この染色体はDNAで構成されているのですが、このDNAは全ての細胞で全く同じ情報を持っているというのが不思議ですよね。情報量にして30億の塩基対(アデニン・チミンかグアニン・シトシンの組み合わせ)の並びで人体のあらゆる機能を設計している事になります。

驚きなのは、DNAからRNAを介して情報を転写され、そのRNAに写された塩基の並びに従ってアミノ酸が結合し(翻訳)、そのアミノ酸がさらに結合して折り重なったものがタンパク質になるということです。しかも、この一連の働きは細菌も動物も植物も全ての生物が同じ働きをしているということです。これをセントラルドグマという、生命の根源を表すシステムになっています。

1953年にDNAの二重らせん構造が発見されてから、1990年ヒトゲノム計画がアメリカ主導で始まり、2003年に人類のDNAの並び方(配列)が判明しました。30億対のA・T・G・Cという文字列の並びが分かったということですから、まだまだ謎の部分も多い学問領域です。ここにバイオインフォマティクスという学問が発展する素地が生まれました。(生物科学と情報科学の融合)

コロナ禍でPCR検査とかワクチンの話が普通に流れていますが、このあたりを理解していると、より身近に感じられるので、もっと勉強したいと思いました。

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