原子力 (Nuclear Power)
東日本大震災から早くも10年が経ちました。この震災を機に大きく日本の政策が変わったのがエネルギー政策でした。先日の新聞で、福島県が2040年に再生可能エネルギーで100%にするということを知りました。県内のエネルギー需要を、太陽光、風力、水力などで全て賄うという計画です。
一方で国全体としてのエネルギーミックスの目標は、現時点では2050年に再生エネルギーが50%〜60%、原子力や化石燃料による火力が30%〜40%、水素・アンモニアによる火力が10%というもので、福島のそれとは大きな違いがあります。これは車、飛行機、船がオール電化できない現状があるので、ギャップがあるのは当然だと思います。
特に原子力をエネルギー資源として考えることはとても難しい課題です。
日本人は原子力に対して負のイメージが強いので、感覚的に原発NO、原子力NOという反応をしがちですが、そう単純に判断すべきではないと思います。また、原子力利用は、エネルギー利用とその他目的で大きく分けて考えるべきです。X線を始め放射能を使った技術革新は産業において欠かすことのできないもので、2015年の調査では、工業、医療、農業の分野で4兆円以上の経済効果を生んでいます。(参考:https://www.jaif.or.jp/170830-1)
原子力発電でも様々な技術革新はあり、アメリカでは2020年にNuscale Power社が小型モジュール炉が史上初の設計承認を得るという大転換期を迎えています。(参考:https://www.businesswire.com/news/home/20200901005523/ja/)
原子力は究極にミクロな世界の学問領域でもあります。鉄腕アトムの世界も今後の研究次第では夢ではないかもしれません。エネルギー資源としてだけではなく、多面的に原子力を考えていくことが必要で、もっと勉強すべきだと思いました。
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