白黒つけるべき? (Black or White?)
#BlackLivesMatter 運動がアメリカで起きているニュースをよく聞きます。この動きに関連していろいろな考察があり、その中でも「言葉」の持つ意味について考えさせられましたので少し書きたいと思います。
私の働く会社の最高技術責任者が先日以下の記事を発表しました。
これは自社が持つソフトウェアで差別的な用語は無くしていくと言う宣言です。ソフトウェアでは、master (主人)と slave (奴隷) とか、whitelist (警戒しなくて良いリスト) と blacklist (警戒すべきリスト)と言う言葉が普通に使われていますが、これらを違う言葉に置き換えていくようになります。この動きはIT業界だけでなく金融業界でも起きており、とても意義のあることだと思います。
一方で、色に応じてそのイメージを持つこと自体は、人間が言葉を使い始めた頃からの自然な反応です。黒は夜、白は朝と関連づけてしまうと、黒をネガティブ、白をポジティブに捉えることを否定することは難しいと思います。
それなら黒人をブラックと呼ばなければいいんじゃないか?などと浅はかに考えてみたら、当然昔からその議論はあったようです。Negroは元々は軽蔑的だったblackを置き換えるために作られたのですが、今や軽蔑語になっていたり、African Americanと呼ぼうとしたら中南米などアフリカをルーツとしない黒人に馴染まないとかあるようです。
そんな中、黒人を大文字のBのBlackと呼ぼうという動きが出てきているそうです。
こんな解決策があるのか!と驚きましたが、言葉というものは文脈に応じて様々に変化する強力なツールなんだと改めて思いました。
このように言葉(単語)は時代背景や利用する文脈によってニュアンスが変化する生き物であり、辞書的に意味を固定化できない状況が生まれています。これを学問的に分析しようという記事を見つけました。「Open Vocabulary Analysis」と呼ばれており、TwitterやFacebookなどの大量の文章から統計的にその言葉の持つ意味合いを分析しようという試みです。
このように、ビッグデータから人々が使う言葉の意味合いを分析していくことで、Blackの持つ意味が徐々にポジティブになっていくことが証明できると良いなと思いました。
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