オープンソースビジネスモデル (Open source Business Models)

先週のブログでテーマにした知的財産について、オープンソースによるビジネスモデルというものがどのような発展をしているか、もう少し調べてみました。
その中で非常に簡潔に、かつ示唆に富む考察をしている記事を見つけました。
世界を手中に収めたオープンソースソフトウェア」(原文 English

これを読めば次のような疑問が晴れますので、是非読んでみてください。
  • なぜオープンソースがビジネスとして注目を集めるようになったのか?
  • なぜ多くの商用オープンソースソフトウェアベンダーが過去に成功しなかったのか?
  • 現在のビジネスモデルにはどのようなバリエーションがあるのか?
  • オープンソースにとってのコミュニティの役割とは?
  • 顧客にとってのオープンソースの価値とは?


この記事をベースに、現在のビジネスモデルのパターンとしては大きく3つにカテゴリ分けしました。オープンソースモデル、オープンコアモデル、クラウドサービスモデルです。
参考: How to Make Money from Open Source Platform?

オープンソースの純粋なビジネスモデルは、コミュニティによるアップストリーム(上流の製品)を作り、そこから企業に必要なものを選んでダウンストリーム(下流の製品)とし、サポートやコンサルティングなどのサービスをすることで対価を得る方法です。
一方、自社が開発したソフトウェアをオープンソース化し、一部をコミュニティで無償公開する代わりに、追加機能は非公開のコードで有償で提供するモデルが、オープンコアと呼ばれるビジネスモデルです。この2つがベンチャー企業で多く生まれ、一部は成功しました。

ところがオープンソースの特性上、これらの知的財産を簡単に自社のクラウド基盤に載せることで、サービスとして提供するクラウドプロバイダーが出てきます。規模の経済の論理でこれに打ち勝つことは容易ではありません。

そこでさらに差別化を図るため、自社のオープンコアの技術をクラウドサービスとしても提供することでオープンコアモデルとクラウドサービスモデルをハイブリッドに掛け合わせたビジネスモデルで生き残りをかける企業が出てきているという話です。

私はオープンソースに携わる仕事をしているので、この記事は非常に面白いのですが、オープンソースをビジネスにすることの難しさがひしひしと伝わってきます。

でもソフトウェア業界がメガ企業に集約されてしまうことなく、どんどん新しいベンチャー企業が生まれるような世界は、オープンソースのビジネスモデルにかかってると思います。
いつかは一山当てたいなぁ。


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