日本語であそぼ〜問題と課題 (Play with Japanese - Problem & Issue)

コンサルティングの世界では言葉を非常に重要視します。お客様とのコミュニケーションが仕事なので、意思の疎通のためには言葉が共通手段だから当たり前です。
そのコンサル業界では、「問題と課題はなにがちがうのか?」がとてもよく話題になり、それを解説する記事も多くありますが、どれもバッチリ腹落ちしませんでした。

そこで私の勝手な解釈も含めた、自分流の「問題と課題」の区別を考えてみました。



実はこの「問題」と「課題」の定義は、JIS規格にあります。「問題」は、「設定してある目標と現実との,対策して克服する必要のあるギャップ。 」、「課題」は、「設定しようとする目標と現実との,対処を必要とするギャップ。」ということで、異なる点は、目標が「設定してある」のか「設定しようとする」のかだけなんです。

もう一つの違いは対処の仕方です。「問題」は「解決する」もので、「課題」は「達成する」ものです。私はここに大きなアプローチの違いを感じました。

仕事をしていると、「お客さんがここに困っているからやる。」という発想で進めようとするケースが多くありますが、それが単に問題点を指摘しているに過ぎない場合があります。
そのお困りごとを解決するために、お客さんはこうなりたい。というお客さんの意志を含めて対応することが重要で、それは問題を課題として捉え直すということだと思います。
そうすることで、お客様視点に立った、建設的な提案ができるのではと考えています。

なかなか伝えるのが難しいですが、私の結論は、問題と課題はやはり区別して使い分けることは重要だということでした。



参考:JIS Q 9024:2003 (https://kikakurui.com/q/Q9024-2003-01.html)
継続的改善(continual improvement)  問題又は課題を特定し,問題解決又は課題達成を繰り返し行う改善。
問題(problem)  設定してある目標と現実との,対策して克服する必要のあるギャップ。
要因(cause)  ある現象を引き起こす可能性のあるもの。
原因(root cause)  要因のうち,ある現象を引き起こしているとして特定されたもの。
問題解決(problem solving)  問題に対して,原因を特定し,対策し,確認し,所要の処置をとる活動。
課題(issue)  設定しようとする目標と現実との,対処を必要とするギャップ。
参考:  課題は,方針においては,重要課題,重点実施事項,重要実施事項,挑戦課題などと呼ばれることがある。
課題達成(issue achieving)  課題に対して,努力,技能をもって達成する活動。 仮説(hypothesis)  原因を特定するために設定された仮定。

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