ゲームオブスローンズ (Game of Thrones)

ゲームオブスローンズを一気に見ました。面白かったです。

7王国の様々な人物が覇権を巡って深謀遠慮をするのですが、結局生い立ちやこれまでの環境に影響されて生きていくという、切ないヒューマンドラマでした。
一番印象に残ったキャラクターは、ラニスター家に生まれたティリオンです。障がいを持って生まれ、親兄弟からも愛されない時代を過ごしたのですが、先を読む機転の良さと行動力で最後まで生き残ります。

このような話は形は変わっても、現代のビジネスの世界でも同じだと思います。
様々な会社が覇権を巡って戦ったり、合従連合したりしながら、新しいサービスを提供し続けていますが、それらは全て過去の経験に基づいています。
自動車の歴史、エネルギーの歴史、金融の歴史、など、全ての産業は過去にイノベーションが起こり、それらをあらゆる人々が改良を続けるうちに標準化されてコモディティ化する。そしてまたそれが陳腐化して、新たなイノベーションが起こる。
これを「持続的イノベーション」と言います。




経済学の世界では、このように産業の進化のプロセスは、過去のプロセスに依存するということで、「経路依存性」という言葉を使います。過去の常識に縛られてロックインされてしまう、というネガティブな意味合いもありますが、過去に蓄積したノウハウを活かしながら進化するために、経験は重要だよというポジティブな意味もあります。

私も自分自身の仕事を振り返ると、経路依存性が重要だと感じる場面が多いです。
同じメッセージを伝えるにしても、過去の体験談から話をすると共感されるけれども、それが無いとあまりお客さんにも響かないことがよくあります。

一方でビジネスの世界では、「破壊的イノベーション」という言葉もよく聞くようになりました。アマゾンやフェースブックのように、既存産業を破壊するほどの威力を持ったビジネスモデルのことを指すのですが、これも私は過去の経験や歴史が間接的に影響しているのでは無いかと思います。
破壊的というのは、あくまで既存の業界から見た相対的な意味合いであり、アマゾンやフェースブックだって、これまでの経験の積み重ねから、他の会社が考えないやり方でイノベーションを起こしているに過ぎないのです。

私もこの世界で生き残るために、ティリオンのように常識に縛られず、逆境にも耐え、未来志向で頑張ろうと思う1日でした。

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