ネットワーク外部性 (Network externality)

新型コロナが様々な社会的・経済的影響を及ぼしています。目に見えない敵だけに何が正しい対応なのか、現状はどうなのかなど、判断できないことがさらに不安を煽る結果になっていると思います。
そのような中、台湾の対応の機敏さは他国を圧倒しています。
休校の対応は早く、その期間中の看護休暇に対する制度も即決したり、マスク購入の実名登録や、在庫データを公開するなど、情報を活用して国民の不安を解消する施策を次々と打ち出しています。

さて、このようなニュースが連日続いていますが、似たような話題はIT業界でも起きていることはご存知でしょうか?
それはGAFAを代表とするプラットフォーマーと呼ばれる大企業に関するニュースです。
プライバシー保護や、送料無料化などの独占禁止法関連の話題など、最近の新聞でプラットフォームビジネスに関する記事が増えてきました。
人々の生活に関するサービスをプラットフォームとしてサービスする企業は、それを利用する人の数が増えれば増えるほど価値を増すという、「ネットワーク外部性」と呼ばれる性質をうまく利用しています。


プラットフォームビジネスは利用する人が増えるほど価値を増すため、一定の利用者が増えると爆発的に増加する特性を持ちます。そうなるとどんどん企業側の地位が強くなり、利用者側に不利益が出てきます。そのため規制などで健全な競争と利用者の利益を守る必要が出てきます。そうして最終的には強い企業のみが残り寡占状態となります。

これはウイルスの感染拡大の流れと非常によく似ていると思いませんか?

今このような話をするのは不謹慎かもしれませんが、ウイルスの立場から見ると、どうやって人に感染できるかを考えることは、プラットフォームビジネスをどうやって成功させるかという考え方に共通するのではないかと思います。
逆にどうやってウイルスの拡大を防ぐかというのは、プラットフォームビジネスの競合他社がどうやって相手を封じ込めるかという考え方と共通すると思います。

ちなみに冒頭で紹介した台湾の施策は、元プログラマーのデジタル担当大臣が旗振り役だそうです。ITの経験・知見がこのような危機管理にも応用できるというのは素晴らしいですね。

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